艶のない黒々とした巨体と、前胸両横から張り出して伸びる太い胸角が特徴の巨大なカブトムシ。似た種にヤヌスゾウカブト(ラミレスゾウカブト)がいますが、こちらはアクティオンと異なり体に艶があり頭角はやや短めです。アクティオンとはギリシャ神話で鹿に変えられてしまった狩人、アクタイオーンに由来しています。体毛の無いゾウカブトの仲間では一番体重が重く、130mm位の個体ともなると、約50gにまで達します。オスの角はゾウカブトの仲間の中でも特に強固な部類に入ります。ゾウカブトの仲間なので肢の力も非常に強く、ヘラクレスオオカブトやコーカサスオオカブトのような最強と呼び声高い大型カブトムシにも引けを取らない戦闘能力を持っているのですが、角が上向きに反っている為敵を投げ飛ばす事は出来ず、戦闘の際は重い体を活かして敵を押し出す戦法を取るようです。「新りったいカブトムシ・クワガタムシ館」収録作品。
分類:甲虫目コガネムシ科
体長:50~135mm
分布:パナマ、フランス領ギアナ、スリナム(オランダ領ギアナ)、ガイアナ、ベネズエラ、コロンビア東部、エクアドル東部、ペルー東部、ボリビア、パラグアイ北西部、ブラジル北西部
ヒミツ情報:ゾウカブトの仲間は幼虫期間がとにかく長い。アクティオンの場合メスでも3年以上かかって成虫になる事も。餌を切らさないよう定期的に餌を与える計画を立てでもしない限り、飼育しているのを忘れてしまう位に成虫になるまでに時間がかかってしまうぞ。
頭部に黄色い逆三角形の模様がある為、和名では「キモンツヤクワガタ」とも呼ばれます。インドネシアのスマトラ島に生息するクワガタで、他にも似た種類として、スぺクタビリスツヤクワガタとヤスオカツヤクワガタというのがいますが、この2つに関しては亜種とされる事もあるようです。スぺクタビリスは腹部の黄色い模様が目立たない事で区別出来ます。ヤスオカのメスは胸部に本種のメスのような黄色い紋はありません。つる性のヤシの花や新芽、樹液の出ている細い枝に集まっています。性格は攻撃的で気性が激しいです。頭部の糊付け箇所は、しっかりと糊付けしましょう。図鑑の写真等を見て、頭部のカーブ付け等、仕上げも色々考えてみましょう。「新りったいカブトムシ・クワガタムシ館」収録作品。
分類:甲虫目クワガタムシ科
体長:44.1~89.9mm
分布:スマトラ島
チリクワガタとも呼ばれ、奇抜な体型が目を引く南米最大のクワガタムシです。大顎の長さは体長の半分以上にも及ぶ事があり、体に対する大顎の長さは自然界でも最大クラスになります。一見、見た目は強そうですが長い方の大顎は挟む力があまり強くないんだそう。ギラファノコギリクワガタもまさにそうで、大顎が長すぎると先端に力を込めるのが難しいのです。なお、顎の根元に短い突起がありますが、この突起の方が力は強く、こちらに挟まれると出血する事もあるそうです。この短い突起は、樹皮を傷つけて樹液を出すのに用いるといわれます。メタリックな体をしており、性格も好戦的。オスメス共によく戦います。なお、交尾が済むとオスはメスを樹上から投げ落としてしまうのですが、他のカブトムシやクワガタにも見られる行動の一つです。大顎や肢が細いので、破れないように抜き取ってくださいね。「新りったいカブトムシ・クワガタムシ館」収録作品。
分類:甲虫目クワガタムシ科
体長:28.3~90mm
分布:チリ、アルゼンチン
ヒミツ情報:気象の荒さはフタマタクワガタやヒラタクワガタの仲間のそれを凌ぐともいわれる。フタマタやヒラタの場合、一応は戦闘前に威嚇したり様子を伺ったりはするものの、コガシラクワガタの場合それがなく、いきなり両者が全力で突っかかってくるのだ。
インドネシア・スマトラ島に暮らす大型のヒラタクワガタの仲間で横幅もあり、大顎の形状には長歯型と短歯型の2タイプがあります。僕的には「アルキデスオオヒラタクワガタ」と言っています。スマトラ島のオオヒラタとしては、代表的なものとしてスマトラオオヒラタクワガタが挙げられますが、アルキデスとは棲み分けているようで、スマトラオオヒラタが標高100~1000mの低地から中山帯に見られるのに対し、アルキデスは標高800~1800mと、スマトラオオヒラタよりやや標高の高い所に棲んでいます(標高800~1000m位でアルキデスとスマトラオオヒラタの両方が見られる場合もある)。カミキリムシのような他の昆虫による傷口から染み出る樹液に集まる事はあまりなく、自ら頑丈な大顎で樹皮を齧って樹液をしみ出させます。オスは木の洞に巣穴を構え、複数のメスを住まわせています。大顎の折り具合で長歯型にも見えてくるし、短歯型にも見えてきます。「新りったいカブトムシ・クワガタムシ館」収録作品。
分類:甲虫目クワガタムシ科
体長:38~98mm
分布:スマトラ島
ヒミツ情報:ヒラタクワガタの仲間はとにかく顎の力が強いが、ニッパーのような顎を持つアルキデスの短歯はその中でも最高レベル。「世界最強虫王決定戦第五弾 ヘラクレス未知への異種格闘技戦」のスペシャルマッチでオオスズメバチと対戦した時には、挟んだだけでオオスズメバチが真っ二つになってしまったというエピソードがあるというから、本当に恐ろしい。
黒くて平べったい体つきをしているので、ヒラタクワガタの仲間と間違えそうですが、ネブトクワガタはヒラタクワガタとはまた別のグループのクワガタです。日本のネブトは大きなものでも3cm程度で、コクワガタと同等かそれより小さいですが、このプラティオドンネブトクワガタは大きなオスで5cm近くとコクワガタの大型オス位の体格があります。和名でも「オノツキネブトクワガタ」というように、斧の先端のように広がった、独特の内歯が自慢です。抜き取る時は内歯がちぎれないよう、ゆっくり抜き取りましょう。「新りったいカブトムシ・クワガタムシ館」収録作品。
分類:甲虫目クワガタムシ科
体長:17.1~55.1mm
分布:モルッカ諸島、カイ諸島、ニューギニア本島
ゼブラノコギリクワガタはゼブラ(シマウマ)の名が示す通り、オスメス共に胸部と前翅にオレンジと黒の模様が縞模様のように入っています。ノコギリクワガタの仲間では一番美しいともいわれ、現在4亜種に分けられています。低地から高地まで幅広く見られ、明かりにもやって来ます。夜行性ですが昼間も活動しており、エノキ類の広葉樹の幹から出る樹液や、細枝を傷つけて出る樹液を吸っています。飼育はしやすいですがオスはやや攻撃的で、気の合わないメスを挟み殺してしまう事もある為注意が必要です。「新りったいカブトムシ・クワガタムシ館」収録作品。
分類:甲虫目クワガタムシ科
体長:21~60mm
分布:ミャンマー、マレーシア、インドネシア、フィリピン
フタマタクワガタの仲間では一番大きくなる種類で、「オオアゴフタマタクワガタ」とか「オオフタマタクワガタ」という和名で呼ばれる事もあります。長くカーブを描いた大顎の先は、小さく二又に分かれています。中間にも二つの鋭い内歯が生えており、その間は、細かくギザギザの歯が並んでいます。フタマタクワガタの仲間はミャンマーのメルキオリティスフタマタクワガタのような例外はありますが、基本的に気性が荒く攻撃的な種類が多いです。大顎は挟む力も強く、また、中央の内歯で挟まれると特に痛いです。ペットとしても人気の種ですが、相手が同種他種問わず争い殺してしまう事もある為、別々に飼育するのが原則でしょう。マンディブラリスとは「大顎」の意味です。「新りったいカブトムシ・クワガタムシ館」収録作品。
分類:甲虫目クワガタムシ科
体長:40~110mm
分布:スマトラ島、ボルネオ島