ヤママユガ
日が沈んで、もう辺りは真っ暗。夜になって、月が昇る。今夜は大きな木の下で寝る事にしよう。ヤママユガさん、おやすみなさい。
(ヤママユガ・ポイント)
ヤママユガの仲間の触角は、羽毛のような形をしていて、切り紙にはもってこいの題材なのだが、切れやすくなるのでハサミを小さくゆっくりと動かして、慎重に切ろう。
ウスバカゲロウ
ツノトンボ
フワフワ、パタパタ。満点の星空のなかで開かれる、虫達の舞踏会。ウスバカゲロウやツノトンボ、妖精みたいな透明な翅の虫が舞い踊る。
(ウスバカゲロウ・ポイント)
切って開くだけの簡単な作品。口先を少し曲げて、ヤジロベーにしてみよう。ヤジロベーにする時、腹部の曲がり具合を調整してバランスを整えよう。
(ツノトンボ・ポイント)
ポイントとしてはウスバカゲロウと同じだが、こっちは腹部を上向きに曲げる。触角とのバランスが難しいところだ。
スズムシ
カンタン
リーン、リーン、リーン・・・・・・夜空にスズムシの澄んだ声が響き渡る。後を追うように、カンタンもルルルル・・・・鳴きだした。鳴く虫達の歌声は、まるで子守歌。
(スズムシとカンタン・ポイント)
切り取ってから、お腹側に背中側を折り返して作る。翅は完全に垂直にするのではなく、ほんの少しだけ寝かせ気味に傾けてやるといい。カンタンの頭の先端は細く切れやすい。ここがハサミ技の見せ所だ。
エビガラスズメ
真っ暗な闇の中、ブルン、ブルン、ブルンと羽音を響かせて飛んできたのは、スズメガの仲間、エビガラスズメ。長いストローのような口を持つこのガは、夜になると花の蜜を吸いに飛んでくる。
(エビガラスズメ・ポイント)
ストローのような口は、先端を少しカールさせると面白いのが出来る。但し細いので途中で切れないように。
ハラビロカマキリ
エビガラスズメが花の前で、長い口を伸ばしたその矢先、葉っぱの影に隠れていた虫が襲いかかった!そう、昆虫界が誇るグレートハンター、あのハラビロカマキリだ!カマキリは昼間だけじゃなく、夜でも狩りをしているんだね。
ヨーロッパミヤマクワガタ
バタバタバタ・・・と音がしたかと思うと、その後にテントの近くで、カーンという音が聞こえた。不思議に思い、起きて懐中電灯で照らしてみると、裏返ったヨーロッパミヤマクワガタが肢をバタつかせていた。どうやらテントの近くに吊るしておいたランプの灯り目がけて飛んできてしまったみたいだ。ランプから少し離れた場所にある木の幹に放してやろう。
(ヨーロッパミヤマクワガタ・ポイント)
先程のヨーロッパミヤマクワガタは歩いているところだったけど、今度は飛んでいるところにもチャレンジしてみよう。切り込みを入れて前翅を立たせてから、クリアファイルの後翅を貼り付ける。完成写真等も見て、前翅に丸みを付けるのもいい。
オオミズアオ
昆虫アイランドに陽が昇る。新しい一日が、また始まる。テントの近くの葉っぱで、昨日の夜羽化したばかりのオオミズアオに出会った。美しい翅の色をしているね。まるで羽衣を着た天女みたい。
(オオミズアオ・ポイント)
斑紋は小さいので、しっかりと貼り付けよう。左右対称に見えるように付けるのもポイント。オオミズアオはヤママユガの仲間。羽毛のような触角は、ハサミをゆっくり動かして切ると、途中で切れにくい。
エサキモンキツノカメムシ
ジャングルの中を更に歩いていると、日向ぼっこをしていたエサキモンキツノカメムシを見つけた。ハートマークが背中に描かれた、何とも可愛らしいカメムシだ。今日もまた、気持ちいい日ですね。
(エサキモンキツノカメムシ・ポイント)
このカメムシの特徴は、背中のハートマーク。本物は1cm位しかないけど、思い切って大きく作ってみよう。お腹側の先端を頭と胸部の境目となる関節の切り込みに差し込んで完成するが、ここ辺りは展示等に合わせて、お腹側から木工用ボンドを少しつけてやると形が保てるだろう。あまり平べったくなりすぎないように、少しだけ立体感を残してやろう。
アメンボ
深いジャングルを抜けて、とうとう島の向こう側へやって来た。大きな湖が目の前に広がる。アメンボ達は、水面をスーイ、スーイ、まるでスケートみたいに滑っている。
(アメンボ・ポイント)
今までの作品と異なり、紙の中からアメンボを切り出す。だから、中肢は完全に切ってしまわずに、先をほんの少しだけ残しておく。前から切ってから、中肢に到達したところで、先端を残し、今度は後ろから切る。触角も細いので注意。アメンボは水面からほんの少しだけ浮かせるのもコツ。
ゲンゴロウ
毛の生えた後ろ肢をボートのオールみたいに使い、ゲンゴロウ達が水中を泳ぎ回る。水の中は、まるでゲンゴロウのスイミングプール。宙返りに急上昇、縦横無尽に泳ぎ回る泳ぎの達人。
(ゲンゴロウ・ポイント)
ゲンゴロウは流線型のスベスベした体をしているから、関節は折り込まずに滑らかさを出す。こんな風に、関節を折り込まない方が、本物らしく見える虫もいるのだ。
タガメ
水草の茂みに、何やら怪しい目・・・。近くを1匹のカエルが通りかかったその時、水草から突然水中の王者タガメが飛び出してきて、カエルを捕まえた!タガメに捕まったら、どんな生物でも一巻の終わりだ。こんなのに待ち伏せされたら、たまったもんじゃない。
(タガメ・ポイント)
タガメのお尻の先に付いている尻尾のようなものは、水中で呼吸をする為に使う「呼吸管」。待ち伏せする間、タガメはこれを水面に出して空気を取り込んでいる。お腹側の折り目まで、少し切り込みを入れて作る呼吸管。忘れないように気をつけよう。
オニヤンマ
ギンヤンマ
島を離れる日がやって来た。さようなら、昆虫アイランド。そして、友達になってくれた沢山の昆虫達、ありがとう。オニヤンマとギンヤンマが沢山、クルっと宙返りしたり、ホバリングしたりして、僕達を見送ってくれているみたいに見えた。
(オニヤンマ・ポイント)
黒と黄色の虎模様が目を引くオニヤンマ。本体のうち胸部分は、模様を貼り付けてから切ろう。貼り付ける前に切ってしまうと、切り込みを入れた背中の方がパラパラと取れてしまうからだ。
(ギンヤンマ・ポイント)
オニヤンマに比べると、比較的作りやすいかと思う。口元の黄色い部分は細かいので、貼り付ける際無くさないように注意だ。
ゲンジボタル
また夜になって、辺りは真っ暗に。帰りの船の甲板でふと気がつくと、帆の上にいくつもの明かりが見える。それは何と、ゲンジボタルが光っていた明かりだった。最後の最後まで、色んな昆虫に出会えて、楽しい探検だったね。
(ゲンジボタル・ポイント)
少ないパーツで作る事の出来るホタル。光は黄色い紙を直径7cmの円形に切って作るけど、円の大きさを変えたら、光の強さとかも変わってきそうで、面白いと思う。

楽しかったね! 昆虫アイランド さようなら
ここに登場した作品の収録文献
「本物そっくり!昆虫の立体切り紙」(ハラビロカマキリ、ヨーロッパミヤマクワガタ、オオミズアオ、ゲンゴロウ、オニヤンマ、ギンヤンマ、ゲンジボタル)
「切り紙昆虫館 ハサミで作ろう!」(ウスバカゲロウ、ツノトンボ、スズムシ、カンタン、エビガラスズメ)
「わくわく切り紙昆虫館 ハサミでチョキチョキ」(ヤママユガ、エサキモンキツノカメムシ、タガメ)
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