草やぶの中をかき分け進んでいくと、ヌーっと緑色の長細い顔が、こちらに現れた。ショウリョウバッタがこちらを見ている。こんにちは、僕達昆虫探検隊です。
(ショウリョウバッタ・ポイント)
瞳になる丸はとても小さい。首も細いし触角も切れやすいので、気をつけて切ろう。
更に進んだところで、出合ったのは2匹のトノサマバッタ。手前にいる翅の短いのは幼虫、奥にいる翅の長いのが成虫だ。バッタは幼虫と成虫の姿がそっくりな、「不完全変態」の昆虫なんだ。
(トノサマバッタ・ポイント)
成虫も幼虫も基本的な作り方は同じ。眼は切り抜いて作る。腹部の曲げ具合も研究してみよう。
地面を力強く蹴って、勇躍ジャンプしたのはクルマバッタ。その時、ビターン!クルマバッタの体が何かに引っかかった。そして現れたのは大きなコガネグモ。何とそれはクモが張っていた網だった。クモは糸を巻きつけてクルマバッタを縛り上げると、餌食にしてしまった。草原にはカマキリだけじゃなく、クモも網を張って待ち伏せしているから、バッタやチョウ達にとっては危険がいっぱいなんだ。
(クルマバッタ・ポイント)
眼や模様には細かいのもあるから、慎重に作ろう。触角も短くて細いからしっかりと貼る。肢も細いから要注意。
(クモ・ポイント)
切り抜いて開くだけなので簡単に作れる。網は紙を4つに折って切り抜いていく。窓辺に長時間吊り下げて飾っていると、鳥が餌と間違って突き刺さってしまうという悲劇も考えられるので(僕は経験済み)、なるべく場所を考えて飾るかあまり長い間吊り下げない方がいいだろう。
太陽の光が、土手の斜面を照らす。ちょっと一休みしようと腰を下ろしたら、そのそばに先客を発見!マツムシも日向ぼっこをしていたみたい。ここは気持ちいいですね。
(マツムシ・ポイント)
切って開けば完成する簡単な作品だが、触角は結構細いので落ち着いて切っていこう。背中の模様も切り抜いて作る。
平たい石をめくってみると、エンマコオロギがピョンと飛び出した。おっと、失礼。ここで涼んでいたのですね。
(エンマコオロギ・ポイント)
基本的な作り方はマツムシと同じ。大きく仕上がるので作りやすくはあるが、触角が細いので切れないように注意!
小さな花の上をちょこまか歩き回っているのは、何とも可愛らしいナナホシテントウ!大好物のアブラムシをお腹いっぱい食べ終えたら、翅をいっぱいに広げ、プーンと遥か彼方へ飛び去っていった。
(ナナホシテントウ・ポイント)
左の方が歩いているところで、右の写真が飛んでいるところ。黒の胴体のベースに、赤い模様を貼って斑紋を表現する。甲虫やセミ、トンボの翅にはクリアファイルを使う。甲虫やトンボはクリアファイルの折れ目を中心に切り取れば、それだけで翅の基本は完成。
ジャングルに来たぞ!
目の前に見えたのは深いジャングル。木が生い茂り、ツタまで幹に絡みついている。おや、何やら声が聞こえる。行ってみよう。
草をかき分けて、耳も澄ませ、声のする方向へ行ってみる。そして周辺を見渡すと、ミンミンゼミ達が大合唱。声の主はミンミンゼミだったんだね。
(ミンミンゼミ・ポイント)
緑色で作っている大きな眼は複眼、ピンク色で作っている小さな眼は単眼という。単眼と複眼を貼り付けてから、模様を貼り付けるが、順番には要注意。クリアファイルの翅には模様を貼るのだが、細かく取れやすいのでしっかり付けよう。
トゲだらけの葉っぱの上に止まっていた色鮮やかなカマキリに近づくと、翅を広げてパタパタパタ・・・・・飛んでいっちゃった。あの模様は、きっとアフリカメダマカマキリだろう。
(アフリカメダマカマキリ・ポイント)
目玉模様を持つカマキリが翅を広げると、二つの目玉模様が何とも面白い表情を見せてくれる。そういう虫は、飛んでいたり威嚇している姿を再現するといいだろう。カマや肢は細いので切れないように。
ジャングルの上空を、ブンブン元気に飛び回っているのはタマムシだ。色とりどりの翅が、すごく綺麗だね。
(タマムシ・ポイント)
黄色とオレンジ色の模様は、付ける順番に気をつけよう。最初に黄色の模様を付けてから、オレンジを貼り付ける。この順番が肝心だ。
どこからか、甘酸っぱい匂いが漂ってきた。姿勢を低く、匂いを注意深く嗅ぎながら近づいていくと、1本の大木にノコギリクワガタが止まっていた。木の汁をなめていたんだね。
(ノコギリクワガタ・ポイント)
ノコギリクワガタの大顎は下向きに湾曲している。だから根本を折って、大顎は真ん中で折り曲げて仕上げよう。背中を反らせるのも忘れずに。なるべくなら本物のクワガタを観察して作りたい。
バタバタバタ・・・・・・と上の方で羽音が聞こえた。顔を上げると、1匹のカブトムシが木の幹に止まっていた。そして、カブトムシは木の汁をなめているノコギリクワガタの所へ歩いてきた。
(カブトムシ・ポイント)
少ないパーツで簡単に作れるカブトムシだが、平べったくなりやすい。その為、立体的に形を整えよう。頭角の枝分かれは折らずに曲げる。
カブトムシとノコギリクワガタの距離が縮まったと思ったら、喧嘩が始まった!
勝負は一瞬で決まった。カブトムシが頭角を差し入れて、クワガタを投げ飛ばしてしまったんだ。
おっとぉ!こちらでは、世界一のカブトムシ・ヘラクレスオオカブトのオス同士が喧嘩の真っ最中。互いに角で相手を捉えて投げ飛ばそうとしている。でも、この勝負はなかなか決着がつかないので、ここは先を急ごう。
(ヘラクレスオオカブト・ポイント)
一応、デフォルメしてあるとはいえ模様は極めて細かい。毛はハサミを細かく動かして慎重に切ろう。胸角は、毛を貼ってから切り込みを入れて曲げる。
「本物そっくり!昆虫の立体切り紙」(クルマバッタ、ナナホシテントウ[歩いているところ、飛んでいるところ]、ミンミンゼミ、アフリカメダマカマキリ、タマムシ、ノコギリクワガタ、カブトムシ、ヘラクレスオオカブト)
「切り紙昆虫館 ハサミで作ろう!」(ショウリョウバッタ、クモ、クモの巣、マツムシ、エンマコオロギ)
「わくわく切り紙昆虫館 ハサミでチョキチョキ」(トノサマバッタ)