国鉄初の寝台特急専用客車である20系の食堂車です。1958年に寝台特急「あさかぜ」として登場し、優れた居住性から好評を博し、既設の寝台特急用客車を置き換えると共に新たな寝台特急も続々と誕生させました。このナシ20 24は、1970年に登場した寝台特急「あけぼの」(上野~青森・秋田経由)用に製造された食堂車ですが、寝台特急の食堂車は営業時間が短い為営業を止めるケースも多く、「あけぼの」もまた比較的早く食堂車が不要になりました。しかし、まだ新しかった為「あさかぜ」に転用され、1978年に最後の20系食堂車となるまで現役で活躍してきました。1980年に廃車となり、交通科学館(後の交通科学博物館)で、食堂としての営業を開始。食堂営業にあたり、本来の厨房機器の一部を外したりしましたが、京都鉄道博物館への搬入に伴い、原形復帰しました。京都鉄道博物館でも、食堂車の営業は現役となっており、軽食・喫茶メニューの販売が行われています。なお、ドアが無い為車内への出入り(乗り降り)は車端部貫通路からとなります。
食堂車の中はご覧の通り。
「食堂車のカレー」のカレーが入っているこの容器。まるでアラジンの魔法のランプみたいですが(これをこすっても、ランプの魔神は出てきませんよ!)、名称は「グレイビーボート」だそうです。