ＤＤ５４形は、Ｃ５７形蒸気機関車クラスの置き換えを念頭に開発された亜幹線用のディーゼル機関車です。性能面では、エンジン１基のＤＥ１０型とエンジン２基のＤＤ５１形の中間を狙って、大出力エンジン１基で計画されました。このクラスのエンジンや液体変速機の実績は純国産品では無かった為、１９６２年に三菱重工業が西ドイツのマイバッハ社と技術提携で製作された試作機ＤＤ９１形をベースとして開発されました。その結果、１９６６年に登場した本形式は、エンジンはマイバッハ社で液体変速機は同じ西ドイツのメキドロ社との技術提携により開発された機器を搭載し、１９７１年までには４０両が製造されました。主に福知山・米子機関区に集中配置され、山陰地方や陰陽連絡線で運用されました。１９７２年には特急に格上げされた「出雲」の牽引機に抜擢されますが、２年程でＤＤ５１形に置き換えられ、安定運用には至らずに１９７９年までには全車が運用から外れました。この３３号機の新製配置は米子機関区で、特急「出雲」牽引に備え、元ダメ管引き通しやヘッドマーク金具を整備した６両のうちの１両です。１９７４年に福知山に転属し、１９７８年の廃車まで在籍していました。