コエロフィシス

北アメリカから知られる最古の肉食恐竜の1つで、原始的な肉食恐竜です。アメリカ・ニューメキシコ州にある「ゴーストランチ」と呼ばれる場所で、500体を超える化石が見つかっています。尾とS字状の首が大部分を占めており、体重は30kgにも満たなかったと推測されています。後の時代の竜脚類にも見られる中空の骨を持った最初期の恐竜で、この骨がコエロフィシスの名前の由来になりました。より原始的なヘレラサウルスと比べて顔が細長い事、仙椎(腰の背骨)が5つある事、前足の5番目の指が完全に無くなっている事、大腿骨の付け根の後方に筋肉が付く大きな溝がある事、足の脛にある2本の骨(脛骨と腓骨)が足首にしっかりとくっつく事等、原始的な肉食恐竜でありながら進化型の獣脚類が持つ特徴も見られます。化石腹部に残っていた骨は同種の幼体のもので、コエロフィシスは共食いの習性があったといわれてきましたが、現在では幼体だと思われていた骨はワニの仲間であるヘスペロスクスと呼ばれる爬虫類のものであり、単なる餌であったという事が判明しています。2種類の異なる形態が発見されており、一方は比較的華奢でもう一方はわずかながら頑丈な形態でした。元々は、この特徴はコエロフィシス属の異なる種を表すものだと考えられてきました。しかし古生物学者の間では今のところ、これは性別による違いであるという考えが有力となっています。他の恐竜でもこの考え方に基づき別種と考えられていたものは再分類がなされています。

分類:竜盤目獣脚亜目コエロフィシス科
名前の意味:中空の形
生息年代:三畳紀後期~ジュラ紀前期
産地:アメリカ
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