1800形タンク式蒸気機関車1801号機 (工部省鉄道局56号)

1881年に、イギリスのキットソン社で8両が製造された急勾配線区用の蒸気機関車です。このうち3両は、逢坂山越えがある京都~大津間で使用され、残る5両は不破越えがある大垣~長浜間、柳ヶ瀬越えがある長浜~金ヶ崎(後の敦賀港)にて使用されました。官設鉄道だけでなく、同形機を私鉄が発注したり、異なるメーカーに同仕様の機関車が発注されたりした結果、中部地方や東北地方を中心に同タイプの機関車が多数活躍しました。工部省鉄道局56号として登場した1801号機は、当初、逢坂山越えで使用されました。現在は2つの長いトンネルでつながっている京都~大津間ですが、鉄道開通当時は南部を大回りして東山を迂回する等、国内初の本格的峠越え区間でした。1894年の称号規定改正に伴い40号に改番され、再度の規定改正で1801号になりました。その後東北を経て関東に転属、1930年には高知鉄道へ払い下げられました。1940年には、東海道本線石山駅い接続する専用線がある東洋レーヨン(現・東レ)滋賀工場に譲渡され、102号と改番されました。廃車となった1964年に、交通科学館(後の交通科学博物館)に寄贈されました。東洋レーヨン時代の姿で展示されていましたが、1965年、準鉄道記念物に指定され、2004年には鉄道記念物に昇格となりました。その翌年には鷹取工場で復元工事が行われる事になります。因みに交通科学館(後の交通科学博物館)では、当初、屋外展示場で保存されていましたが、1993年に行われたリニューアル時に館内に移されました。
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